
テスラアプリの「車両」画面では、その日の充電量をひと目で確認できます。今日は5.9 kWhを充電したようです。
画面右上の「日」の表示をタップすると、週単位・月単位の集計に切り替えることもでき、日々の充電だけでなく、まとまった期間での電力消費の傾向も振り返ることができます。
グラフから読み取れること
グラフは横軸が時刻、縦軸が充電出力(kW)です。今日は明け方の6時前後に、山なりの塗りつぶしが1つだけ現れています。これは、深夜のうちに充電を開始し、短時間で必要な分を満たして自動的に終了した、という1回分の充電セッションを表しています。
ピーク時の出力はグラフの目盛りから見て3kW程度で、Wall Connectorの最大出力(9.6kW)よりかなり低い値です。この日充電していたのは、テスラではなくMINI クロスオーバー PHEVでした。
これは、車両側の「車載充電器(オンボードチャージャー)」の受入容量が、Wall Connector側の最大出力より小さいために起きています。特にPHEVは、EVに比べて積んでいるバッテリーが小さい分、車載充電器も3kW(15A)前後に抑えられているモデルが多く、我が家のMINIもまさにこのタイプです。フル電動のEV(BEV)と違い、そもそもそれ以上の速度を受け止める設計になっていません。
Wall Connectorの性能を使い切るには、家の配線が48Aを許容し、家のブレーカーの容量が十分で、なおかつ車両側が48Aを受け取れることが条件になります。すべて揃って初めて、200V×48A=9,600W、つまり9.6kWでの充電が可能になります。
参考までに、国内で乗れる主な電気自動車(BEV)を、普通充電の受入能力(最大出力)が高い順に紹介します。
1. 超高出力クラス:最大 22kW
国内で販売されている乗用EVの中で、普通充電の受入能力が最も高いのはポルシェやアウディのフラッグシップモデルです。
代表車種:
- ポルシェ タイカン(Taycan)
- アウディ e-tron GT
特徴:車両側に22kW対応のオンボードチャージャーを搭載(オプション設定の場合あり)。ホテルやゴルフ場などに設置されている「ポルシェ デスティネーション チャージングステーション(22kW器)」などで、普通充電としては驚異的なスピードで充電が可能です。ただし、一般家庭に22kWの設備を導入するのは電力契約の壁があり、現実的ではありません。
2. 高出力クラス:最大 9.6kW〜11kW
現実的な「自宅での最強充電環境」を構築できるのが、テスラをはじめとする輸入車勢です。
代表車種:
- テスラ Model S / Model X
- テスラ Model 3 / Model Y(※ロングレンジ以上のグレード。RWDグレードは最大7.7kW程度)
特徴:テスラ専用の壁掛け充電器「ウォールコネクター」を設置し、単相200V・48Aの電源環境を用意することで、最大9.6kWでの自宅充電が可能です。一晩(約8時間)で70kWh以上の電力を補給できるため、バッテリー容量が大きいモデルでも毎日確実に満充電にできます。
3. 国内の主流ハイスペック:最大 6.0kW
現在、国産・輸入車問わず、ミドルクラス以上の最新BEVの多くがこの「6kW(200V・30A)」を上限としています。
代表車種(国産):
- 日産:アリア、リーフ(e+)
- トヨタ/スバル:bZ4X、ソルテラ
- レクサス:RZ
- ホンダ:Honda e
代表車種(輸入車):
- メルセデス・ベンツ(EQA、EQBなど)、BMW(i4、iX3など)、BYD(ATTO 3、DOLPHIN)などの日本仕様車
特徴:従来の3kW(100V換算で約30A相当、200Vで15A)の2倍の速度で充電できます。一般的なEVであれば、空から満充電までおよそ8〜12時間程度で完了するため、現在の日本の住環境において最もバランスの良い高出力モデルと言えます。
充電設備に関する注意点
車両側が9.6kWや6kWの高出力に対応していても、自宅のコンセントが従来の「3kW(200V・15A/16A)」用であれば、3kWの速度でしか充電されません。高出力の恩恵を受けるには、車両の性能に合わせた壁掛け型充電器などの設置工事と、ご家庭のアンペア契約の見直し(60A〜100A、あるいは実量制契約などへの変更)が必要になります。
今回の我が家のグラフも、こうした車両側・設備側それぞれの上限が組み合わさった結果の3kWだった、というわけです。もっと詳しく振り返りたい場合は、グラフの下にある「充電セッションを表示」をタップすると、この1回分の充電の詳細(開始・終了時刻や平均出力など)を確認できます。さらに過去に遡って見たい場合は、次に紹介する「充電履歴」画面が便利です。